鬼怒沼山・黒岩山・物見山
2008-07-13
【登山日】2008年7月12日(土)
【天候】
曇り→復路の湿原以降晴れ
【人数】
単独
【目的地】
鬼怒沼山・黒岩山・物見(毘沙門)山
【ルート】
(往路)夫婦渕駐車場→鬼怒沼湿原分岐→鬼怒沼山分岐→鬼怒沼山→鬼怒沼山分岐→黒岩山分岐→黒岩山→
(復路)黒岩山分岐→鬼怒沼山分岐→鬼怒沼湿原分岐→物見山→鬼怒沼湿原分岐→夫婦渕駐車場
【運転】
国道121号線までは何ら問題は無いでしょう。
問題となるのは県道23号線。
駐車場までは舗装道です。
川俣湖辺りまでは一部狭い道も有りますが、基本的に問題となる道はありません。
ですが、川俣湖辺りから崖の様な場所を走り、道も狭いです。
対向車に気をつけなくては成りません。
恐らく黒岩山日帰りを狙われている方は、夜間の運転になると思います。
この狭い道は街灯なんて勿論ありません。
ガードレールにおかれているカラーコーンに反射板がついているので、その情報を基に運転します。
…正直、怖過ぎます。
私の場合、帰りは日があるうちの通行だったのですが、それでも要警戒の道と判断しました。
【感想】
真っ暗な駐車場に車を停めます。
念の為の確認でGPSの電源を入れるととんでもない場所を指していました。
もう一度電源を入れて再度確認をすると、駐車場のウェイポイントを指していて安心しました。
スタートにはやや早いのでゆっくりと準備を始めます。
空を見ると暗いですが、山の稜線が見える位の光量はあります。
久々に使うヘッドランプのスイッチを入れ、歩き始めます。
大きな橋を渡らずに東側を見ると歩道の入口なのですが、しばらく行くと通行止めのゲートがあります。
ついていません…。
後で知るのですが、渡らなかった橋の先に立派な登山口が出来ていました。
恐らく、ここの道は廃道にするのでしょうか。
暗すぎて調査していた道以外の選択肢は、日が空けてからでないと見つけられません。
かなり困った私は、ゲートを念入りにチェックします。
特に工事中という記載は無く、脇に人が通った踏み跡があったので自己責任で踏み跡をたどります。
結局、この道を進んでも支障は無かったですが、帰りは新しい登山口を利用しました。
真っ暗な歩道をヘッドランプの光を頼りに歩きます。
沢の豪快な音が聞こえますが、周囲の状況は良く分かりません。
30分以上位歩いた段階で、薄暗いなりにも周囲が確認できる様に成ったので、ヘッドランプを消します。
八丁湯、加仁湯、日光澤温泉と通過します。
どれだけ秘境の宿なんだろうと想像を膨らましていましたが、車がガンガン停まっていてやや興覚めです。
でも、かなり奥まった所に建っているので、ゆっくりと沢を見ながら一日を過ごし、温泉に漬かるのも悪くなさそうです。
特に日光澤温泉は雰囲気出ていました。
温泉宿を越えると急登が始まりますが、基本的に道は九十九折に成っていたり、木の階段が設けられているので難所はありませんね。
あくまで個人的な感想ですが、湿原を抜けて稜線に出るまで道は過保護です。

湿原を目指し、歩いている最中、日が現れたり隠れたりを繰り返します。
耳をすませると、遠くから風の音。
ある程度天候が荒れている事を覚悟します。
天気予報では午後から回復と言っていたので、これ以上は悪くはならないと思いながら進みます。
湿原に近づくにつれ、道が沢の様に成っています。
昨日の雨の影響か、元々水量の豊富な山域なのか分りませんね。
ここまで広範囲が水没すると流石に歩行に影響が出ます。
鬼怒沼湿原周りの登山道はほとんどがこう言う状況でした。

しばらく進むと湿原の木道が現れます。
曇っていて見晴らしはよくないです。
霧に包まれた湿原は好きなのですが、強風によりガスが有り得ないうねりとなり湿原を流れています。
耳には風の轟音。
かなりの恐怖感を感じながらも先に進みます。

湿原を越えると尾根にでました。
ここから尾根歩きとなります。
東に進んでいくと、鬼怒沼山の分岐がありました。

ここから先は踏み跡とテープを頼りに登ります。
地形図に登山道の記載はありませんが、かなり分りやすいので道迷いの危険性は低いと個人手に感じました。
10分弱も歩けば鬼怒沼山の山頂です。
山頂は木々に囲まれていますが、一部切れ間から展望が期待出来そうです。
ですが、この日は曇りの為何も見えませんでした。

分岐に戻り、黒岩山を目指します。
当初、懸念していたのは、鬼怒沼山から先の状況でした。
あれだけ奥深い山に対して、本当に登山道が刻まれているのかと言う事です。
行って見ての感想としては、かなり踏み跡が明瞭です。
しかも、道にエグれがあり、相当数の人が通っている形跡がありました。
ただ、一部倒木が多いエリアがありました。
木を巻いて通ろうとすると、間違った方向に踏み跡が伸びていてビックリします。
道をはずすとしたらこのタイミング位でしょうか。

湿度の高い樹林帯をひたすら進みます。
道中は花もちらほら。
私でも同定出来るのは、オサバグサ、ギョリンソウです。
後、下の写真の花が非常に綺麗でした。
私はチングルマだと思い込んでいましたが、チングルマは花びらが5枚みたいなので、明らかに違いますね。
どうやらこの花はゴゼンタチバナと言うようです。

かなりの距離を歩き、黒岩山分岐に到着します。
道に看板が直起きされていたのでビックリしました。

先程までは踏み跡明瞭な道が続いていましたが、ここから先はテープを頼りに進みます。
しばらく歩くと見晴らしの良い低木帯に突入します。
短い区間ですが、低木のヤブコギの始まりです。
ここから凄まじい量のブユの様な羽虫が大量に居ました。
低木に手をかける度に、大量の羽虫が飛び立ちます。
私の服に当たる際にバチバチと音を立て、服に付きまくります。
もう虫除けとかのレベルではないです。
たまたまでしょうかね。
ただでさえ辛い低木のヤブ、更に虫に行く手を阻まれ、大量に水を蓄えた葉で服はびしょ濡れ。
辛い思いをしましたが、やっと山頂に到着です。
遂に黒岩山の山頂を踏みました。
山頂ではシャクナゲの花が出迎えてくれました。
黒岩山は展望を期待してこの日を選んだのですが、完全な曇りで視界はほぼ有りませんでした。
たまに遠くがチラッと見えますが、すぐに雲に包まれます。
でも、ここまで奥深い山に単独で登頂できた事が大きな満足感となりそんな事は吹っ飛ぶ位気持ちが良かったです。
気象条件が悪かったので、常に恐怖感を覚える山行でしたが、非常に楽しい思い出に成りました。

山頂にも羽虫が多く、あまり居心地は良くありません。
たまに見える遠望も楽しんだので下山を開始します。
低木のヤブと羽虫と戦い分岐まで戻ります。
そして倒木地点を越えて長い復路をひたすら歩きます。
鬼怒沼山分岐を過ぎた辺りで立ちながらおにぎりを口に入れている時に、正面から人の声が。
本日始めて人に遭遇しました。
男性二人、女性一人の三人でした。
食べてたので、どもりながら挨拶だけしたのですが、先頭の男性に鬼怒沼山はどこですかと質問されます。
正面に見えるのがそうですよと答えると、三人は鬼怒沼山に向っていきました。
物見山下山後、二たび三人に会い、ゆっくり話す事が出来ました。
鬼怒沼湿原分岐まで来て考えます。
確かに疲労は溜まっていますが、この先の物見山まで往復すると掛かって一時間。
風もおさまり、天候も回復の兆し。
物見山に向います。
前にも書きましたが、湿原近くの道は沢の様に成っています。
物見山までの道も例外ではなく、かなり歩き難いです。
水が吐ければなんて事無い道なのでしょうが、かなりルーファン力が問われる(笑)歩きに成ってしまいました。
山頂付近で女性の集団に出会います。
湿原で数人の方と話した時に気付くのですが、この日は鬼怒沼湿原までは群馬の大清水から物見山を越えてこられる方が多かったです。
そして、山頂に到着。
三角点は無かったので、山名板の前で記念撮影しました。

鬼怒沼湿原の分岐まで戻り、湿原を見ると数人のハイカーが歩いています。
田代山湿原と比べると圧倒的に少ないです。
ちょろっと気分ではここまで来れませんからね。
団体の姿はほとんど無く、歩き慣れている方が多い印象を受けました。
湿原に入ってすぐ、夫婦の方が花を見ていたので「珍しい花でも咲いていましたか?」と話し掛けて見ました。
湿原で、写真撮影に夢中になりながら歩いていたので、このご夫婦と抜きつ抜かれつで湿原を通過する事になります。
湿原は往路とは違い、復路は太陽は見えないものの、青空が見えていました。
風もおさまり、のどかな湿原は非常に綺麗でした。

花も沢山見られます。
ワタスゲ(終わり気味)、タテヤマリンドウ、コバイケイソウは私でも同定可能。
他の花は良く分かりません。
いくつか写真をアップします。
有知識者の方、ご教授下さると嬉しいです。
写真1(ピンボケですみません)ハクサンチドリ

写真2

写真3 チングルマ

写真4 サラサドウダン

湿原を後にして下山するのですが、とにかく辛かったです。
歩行速度は下がりなかなか思うように歩けません。
休んでもほぼ立ちっぱなしだった為、かなり足に来てます。
沢の様に成った登山道をひたすら歩き、オロオソロシの滝展望台まで来た時はほっとしました。
後は駐車場まで歩けばいいだけなので、散歩気分です。
ヒナタオソロシの滝に向うつり橋も意味も無く渡ってみました。

温泉宿まで来ると、ガンガン観光客が押し寄せています。
バスでやって来る大量の高年者グループ、普段着サンダルの若いグループ、登山装備のグループなどなど。
色々な方を見かけました。
そのうちの1グループで、大きな大木を見上げて話をしている女性3人組の登山者と話しました。
植物に興味を持ち始めている私は、何を見ているのかと聞くと大木の種類がわからないとの事。
私も全然分かりません。(笑)
でも、良く見ると本当に大きくて…もし何の木か知っていたらもっと違う目線で見えるんだろうなと感じました。
この三人は、これから日光澤温泉に泊まって、日曜日に鬼怒沼山を目指すそうです。
湿原の花が目当てとか。
花を巡る山旅も悪くないなと正直思いました。
今まで風景の一部としてしか見ていなかったのですが、花を知り出すと今より数倍山が楽しくなる気がするので。
往路は気付かなかった新登山口を通り下山です。
こちらの方が従来の登山口よりも距離短縮になり、それ以上に綺麗なつり橋も渡れるので楽しいです。

栃木百名山、最長のロングコースと成りました。
GPSのログを確認すると、全行程34kmの山歩きと成りました。
日帰りする山では無いですね。
【反省点】
私の予測の範囲内で山行は展開されましたが、往路は見積もりの最悪側が全て出たような条件と成ってしまいました。
特に天気ですね。
大展望の黒岩山を少しでも満喫したいと思い、晴れのち曇り予報の日を狙ったのですが、晴れどころか曇り+やや強めの風(平地なら強風)と言った状況でした。
まあ、自然現象ばかりはどうにも出来ないので仕方無いですね。
【山行を一言で表すと?】
水に恵まれた”うるおった”山域


